3月17日(木)辰口健康福祉センターにおいて、平成22年度能美市地域福祉活動計画第7回アクションプラン推進協議会が開催されました。

当日の協議内容は次のとおりとなります。

平成22年度能美市地域福祉活動計画
第7回アクションプラン推進協議会 [要約報告] 
日時:平成23年3月17日(木)午後7時~
場所:辰口健康福祉センター

出席者:高塚亮三(福祉施設等)、西川方敏(市ボランティア連絡協議会)、宮田明(市自治公民館協議会)、井上徹(市民生委員児童委員協議会)、吉田良(市自治公民館協議会)、喜多泉(子育てに関わる団体)、橋場里志(市自治公民館協議会)田中邦一(学識経験者)、村上洋子(学識経験者)

事務局:宮本会長、新川、谷、向、西出、海道

1. 開会の挨拶

高塚アクションプラン(以下「AP」という)推進協議会長
  東日本大震災で多くの亡くなられた方々のご冥福と復興のため黙祷 ~黙祷~
  それでは、第7回、最後のAP推進協議会として、活動計画3年目の取り組みの
  まとめをしていきたい。
  
2. 各AP委員会からの報告及び協議

ア 活動計画3年目の推進状況にかかる自己評価(ふりかえりとまとめ)

事務局:お手元のオレンジ色の冊子は、先般、2週間に亘って開催された「春 まち ぽかぽか プロジェクト」の報告書で、各プログラムの内容と写真も入れて様子なども紹介したり、参加者の声をアンケート結果をまとめたもの。この報告書ともう1つの資料である各AP委員会の今年度の自己評価シートを併せて確認していきたいと思う。

 高塚:それでは自己評価シートの順で、まず、人づくり委員会から報告する。
    
 地域福祉人づくり委員会
 高塚委員長:報告・説明(シートを基に要約)
 <自己評価シート参照>

地域福祉ネットワークづくり委員会(以下、「NW委員会」という)
井上委員長:報告・説明(シートを基に要約)
 <自己評価シート参照>
地域福祉支えあいのしくみづくり委員会(以下、「支えあい委員会」という)
喜多委員長:報告・説明(シートを基に要約)
 <自己評価シート参照>
    
私たちのボランティアセンターづくり委員会(以下、「ボラセン委員会」という)
西川委員長:報告・説明(シートを基に要約)
 <自己評価シート参照>

イ 他のAP委員会への意見

高塚:ただいまの報告に対し、何か意見などあるか。

西川:人づくり委員会において、人を排除しないという共生の考え方を協議され「人
に寄り添う気持ち」をふれあい交流の実践から学んでいく取り組みをされた。  
一般の方を対象にした「認知症講座」では、それがなかなか難しいがあるとい
うことだが、AP委員会の中では、そういった理念的な合意はできているのか。

 高塚:1年目から、そういった話し合いや実践の時には、なるべく当事者を含めた
    参加を心掛けてきた。

 西川:私自身もAP委員会の中でどういった認識を共有するのかということが大事だ
    と思った。外に向けて発信していくには、先に内部を固めないと難しい。委員
    同士の共通認識をどう高めていっているのかが、気になった。

 高塚:確かに共通認識を高めることで広げていけるということもあるが、逆に言えば
    一般の方に福祉意識を持ってもらうことは、そんなに簡単ではないという現実
    がある。そこを意識し過ぎると煮詰まることもあり、徐々に成熟させていけば
    良いのではないか。

 西川:高塚さんの発言に、他の3つのAP委員会は、実践が中心で、人づくり委員会
    は、どうしても考え方や理念が中心になるとあったが、私自身も理念と実践を
    バランス良く進めていかなければならないという思いがある。理念をつくり上
    げて、実践に繋げていくことについては、どう思うか。

 高塚:ボラセン委員会は、1つ明確な目標があって、取り組むべきこともおおよそ想
    定できる中で協議している。人づくり委員会は言ってみれば、何を取り組んで
    いくか、自由裁量のところがある。しかし、最終的には、市民の福祉意識をど
    う高めていくかに尽きる。餅つきやサンバのふれあい交流事業という実践の
    中で参加者に、如何に気づきを持ってもらうかという方法を採っている。

 西川:実践について話を聞いていくと、逆に理念というものが大切なのかと思った。
    例えば、町会に公民館活動と、見守り活動の上部になぜ、地域福祉委員会を
    置く必要があるのかという声があるとNW委員会の報告にあったが、
    それをカバーするような理念や考え方があれば、解消できるのではないかと
    思って聞いていた。
    ボラセンについて言えば、例えばボランティアが担ういきいきサロンでは、
    閉じこもりがちな高齢者が参加するので、体調の維持向上に繋がれば、
    社会的に考えた時に医療費が抑えられるという便益が出る。抑えた費用の
    中から、いくらかをボランティア活動の支援のために活用できるという、
    理念的な考え方をもう少し整理して、バックアップしていくような次年度
    の取り組みが必要ではないかと思う。

 高塚:先日の重点地区地域福祉委員会の活動報告会でも「公民館活動と地域福祉
    委員会活動活動との違いは?」という声があった。西川さんが言うように、
    公民館活動に、福祉の視点を採り入れていれば、特に問題がないことで、
    公民館活動だけで良いわけである。公民館長である人づくり委員会の
    宮田さんも、サンバの時に使ったキャッチフレーズ「集い、ふれあい、
    知り合おう」を公民館活動の合言葉に使っていきたいと言ってくれた。
    それは地域福祉委員会活動においても、そうなればと思う。

 西川:私が、理念と実践にこだわったのは、次年度はボランティアセンターとは別に、
    市まちづくり推進課が進めている「協働センター」が立ち上がり、並存して、
    住み分けをどうするのか、ということが課題になる。それらを超えて、統一
    した理念をつくり上げていかないと2本立てになってしまい、ボランティアに
    関心を持つ市民がどっちに行けば良いのか、迷いを与えてしまう。やはりきち
    とした理念、考え方が必要になってくる。

 高塚:非常に難しいことで構造的な問題があり、2つが並存すると言っても、2つだ
    けではないと思う。「協働のまちづくり」と「福祉のまちづくり」の間のどこ
    かに位置するとなれば、一人一人の位置が違うので、統一した理念という
    のは難しくないか。

 西川:統一と言うよりも、何かトラブルが起きた時に、きちんとした理念で折り合い
    がつけばと思う。例えば、「まなびフェスタ」に人づくり委員会が、分科会が
    持てなかったことが同様のケースかと思う。

 高塚:人づくり委員会として、今後、柔軟に攻め口を考えていく必要がある。

 田中:少し意見を言わせてもらうと、4つの委員会には、かくかく5年間の目標
    数値が挙げられている。
    この数値は、何を達成するための数値だと、委員同士で合意をしておか
    ないといけないのではないか。4つの委員会の報告は、目標数値は
    これであるが、取り組みの中での共通認識で補填すると言うようなもの。
    目標を見直す必要はないのか。

事務局:活動計画の1年前に市が策定した地域福祉計画に目標数値を入れており、
    活動計画は、それを受ける形であったため、この数値を無視するわけ
    にはいかなかった。当初からこの数値は、あまりこだわるものではないと
    話し合っていた。

 田中:福祉は数値化できるような簡単なものではない。

 喜多:支えあいのしくみづくり委員会では、目標数値に関して1年目で
    達成している。
    気持ちの面だとか、精神的なところで意識啓発に取り組んでいるので、
    あまりこだわっていない。
  
事務局:5年間の最終的な評価として、この数値はどこかに示さなければ
    ならないとは思っている。

 高塚:次年度から市の地域福祉計画の見直しが進んでいく。
    今回の協議内容や、この目標数値の取り扱いについても意見交換できる
    のではないかと思っている。

 田中:企業の生産目標などであれば、目標数値に届かなかった場合は、
    何が原因かを検証し改善して、その目標値に近づけていくということ。
    福祉ではそれが難しい。
    委員同士で取り組みの質、市民の意識の変化に重きを置き、
    目標数値にこだわらないことを合意しておけば、特に支障はない。

 高塚:1年目に、一番協議したのは「評価をどうするか?」と言うことだった。
    現状把握と認識、それに対して、審判的なことは言わず、
    共通理解することを基本とし、委員それぞれの立場からいろいろな意見を
    提示するという形。評価は、ジャッジメントではなく、
    アセスメントとした。

 宮田:協働センターとボラセンが、お互いに「住み分けをどうする」とかを変に
    意識し合っている。
    一部の者同士で話し合うのではなく、それぞれの委員会同士できちんと
    話し合いたいと思う。

 西川:住み分けるという発想は、適当なのかわからないが、それも含めて
    話し合ってみたい。
    最終的な目標はどちらも同じような気はしている。

 宮田:ある程度、それぞれの目標を明確にしておかないと、新しく活動したいと
    いう方が、どちらに行って良いのか、戸惑ってしまうことを懸念する。

 西川:解答は持っていないが、ボランティア連絡協議会(以下、「ボラ連」という)は
    先日、同様センターが2つある、鯖江市へ視察に行って来た。
    2つのセンターは建物を別にして運営していた。昨年は、京都へ視察に行ったが、
    1つの建物の中に2つのセンターがあった。
    どっちがメリットとなるか比べたら、やはり1つの建物に2つあった方が、
    交流によって新しい発想が生まれるなどメリットを感じた。
    1度と言わず協議してみないと、方向性が出て来ない。

 喜多:2つのセンターが別々に進んでいくのは決定していることなのか。本当はそこ
    から話し合わないといけないと思う。

 西川:まちづくりには、「協働型のまちづくり」や「福祉のまちづくり」
    「生涯学習のまちづくり」などがあり、それらを上手く有機的に連携して
    いくことができるかどうかが難しい。

 喜多:市民にすれば、「こっちが協働型のまちづくりですよ」「こっちが福祉の
    まちづくりですよ」でも同じように捉えてしまう。地域で活動する時、
    全てまちづくりに繋がるし、自分たちが住む地域を良くしようと思って
    活動している。市民側にしてみたら分ける必要はない。
    区分けをすることが市民にとって動きやすいのかどうか、
    もっと話し合わないといけない。

 西川:ボラセンの運営委員会は、文化協会の会長に委員になってもらい、
    当初はボランティアというものに初めて触れたということで、
    なかなか協議に入り難い感じがあったが、会が進んでいくにつれ、
    年度の最後には、集う場さえあれば、世代間交流できるなどいろ
    いろな発想が出て来た。
    やはり喜多さんが言われるように、まちづくりを分類する必要はなく、
    いろいろな立場の方が話し合うということが大切だと思う。
    
 宮田:市のまちづくり推進課に相談に行くや、社協に相談に行くなどがあるので、
    次年度は年度初めから話し合う機会を持ちたい。

 喜多:区分けをすることは、市民には、難しいので、話し合いの機会を持つことは
    どちらから声を掛けても良いのではないか。

 西川:市の協働型まちづくりの委員でもあり、社協の地域福祉活動計画の委員でも
    ある方もいるので、双方が別々にではなく、双方が一緒にきちんと話し合う
    べきである。
    市ボラ連会長の栗山さんが言うには、ボランティアそのもののあり方に
    ついて、市が進める協働型まちづくりの考え方とのギャップを感じる
    ようである。
    それでも、ボランティア活動への支援として、補助金などの面では、
    市の協働型まちづくりとの連携にはメリットがあり、てこの原理ではないが、
    わずかな財源で大きな便益を生み出すことも有り得るので、能美市には
    良いことである。

 高塚:1つのことを進めるには、多面的にいくつも尺度が必要になってくるので、
    それぞれの違いを認め合い、時には協調性を持って相手方に合わせ進める
    ことでメリットとなることもある。

 西川:ボランティアというのは、根本には自由があると思っていて、逆に
    フレームワークをある程度つくらないと、社会的な批判によって動き難く
    なるという認識もある。
    それにどう接点を見出すかが、課題の根底にあるような気がする。

 高塚:この課題については話が尽きない。お互いの立場の違いを認識して動機と
    意図を照らし合わせた時に何を選択していくのか、どういう動機で、
    どういう意図で、その行動をとっていくのかが決まってくると思う。
    そして普段からの話しあいの有無が大きく左右される。
    そういう意味で、町会の中の地域福祉委員会においても、
    何でも言い合える間柄をつくっていければ、地域福祉委員会活動で
    あろうと、公民館活動であろうとそんなに問題にならないであろうと思う。

 ウ 次年度のAP委員会委員について(推薦・公募など)

事務局:次年度の取り組みに向けて新たな広がりを考えた時に、各AP委員会の
    委員構成や選出団体、公募についてどうすべきか、ご意見を頂きたい。

 西川:ボラセン委員会として言えば、15名以内の委員構成で、現状の委員数が
    非常に協議しやすいと思っている。各種団体からの選出メンバーも
    バランスがとれている。
    私はボラ連からの選出であるが、委員長として委員会のまとめ役となるので
    あまり意見することはできないが、公募委員がボラ連理事でその立場から
    意見を言われるので、その点では補われている。
    あとは、ボラセン運営委員会には文化協会から委員に出てもらっているが、
    今後、AP委員会と別々に開催していく時には、AP委員会にも文化協会
    からの選出があれば良いかもしれない。

 宮田:各AP委員会において、3年間通じて委員となっている方は、
    半数位いるのか。その辺で、新任の方との意識の違い、ギャップも出て来る。

 井上:NW委員会は、大半が、新任委員であった。

事務局:充て職で委員となる方もおられる。

 井上:NW委員会の委員選出においては、なぜこの委員会が「NWづくり」と
    言うのか、未だにきちんと理解していないところもある。それぞれの
    委員会がNWづくりに関わっていることもあり、町の地域福祉委員会と
    いう協議会をつくれば、NWなのかとも思う。

 高塚:NWづくりというのは地域内のつながりを確認する
   「支え合いマップづくり」なのではないかと思う。

 西川:NWづくりというのは、地域福祉委員会であったり、いきいきサロンで
    あったり、いろいろあると思う。理念として、NWをどうつくって
    いけば良いかということもある。
    そういう意味では、ボラセンが1つのツールになれる。

 高塚:ボラセンには、ボランティア同士のNWというものがあるわけで、
    人づくり委員会の場合は、最小単位の一人一人であり、この人と
    この人の関係ということを捉えて、あるまとまりを繋げていくという
    よりも、個人個人を繋げていくことを考える。

 吉田:NWづくり委員会はやはり、町(内)会長が中心にならないと
    進んでいかない。地域のマップづくりにしても、民生委員が中心に
    なりがちで町会との一体感がなかなか持てないような気がする。
    例えば、委員を選出する場合、重点地区の町(内)会長に参加して
    もらう方が良いと思う。町内挙げて福祉に取り組んでいこうという
    時に、町(内)会長がリーダーシップをとらないと進まず、民生委員
    や福祉推進員だけが取り組んでいては、小さな動きに留まってしまう。
    また、民生委員に負担がかかっていることで、なかなか成り手が
    いない状況なので、福祉は町ぐるみで取り組むという考え方を広めて
    いきたい。

 田中:事務局としては、この議題を提示した意図は何か。

事務局:次年度に向けた課題や自己評価などの報告から方向性が
    挙げられているので、それに対して、どのような委員構成にしたら
    良いか、委員のみなさんの意見や要望をお聞きした上で、
    事務局として動いていきたいという思いがある。

 吉田:NWづくり委員会としては、重点地区地域福祉委員会の町(内)会長に
    参加してもらいたいので、声掛けをお願いしたい。

 田中:次年度は原則、3地区の町会長会にお願いし、できれば重点地区からと
    いうことで、難しいのなら他の町(内)会長にお願いすることでどうか。

 井上:町(内)会長も1任期で変わることも少なからずあり、難しい課題である。

 高塚:人づくり委員会については、福祉教育を進めていく時に、学校との連携が
    必要学校とのパイプ役となれる方をお願いしたい。

 喜多:支えあい委員会は、PTA関係の方をお願いしたい。

 西川:ボラセン委員会は、構成的にバランスがとれている。

 エ その他
 
 西川:ボラセン委員会の自己評価シートの次ページに
    「私たちのボランティアセンターに関する提言書」を
    付けているので、あとでご確認して頂きたい。
 
 宮田:提言書は社協に提出するものか。

 西川:社協である。

3.活動計画3年目の評価及びその報告について
   評価・・・第2回評価委員会の開催
        日時:3月29日(火)午後7時30分~
        会場:辰口健康福祉センター

4.今後の流れについて
   報告・・・能美市社会福祉協議会理事会
        日時:3月29日(火)午後2時00分~
        会場:辰口健康福祉センター
        能美市社会福祉協議会評議員会
        日時:3月31日(木)午前10時00分~
        会場:辰口健康福祉センター
5.閉会の挨拶
  西川AP推進協議会副会長
  次回の評価委員会に繋がる有意義な協議ができたと思う。
  次年度もこの流れを受けて、有意義な推進協議会になっていくことを
  期待したい。1年間お疲れ様でした。
  そして有難うございました。